デジタルコンテンツ
主力IPを活用しデジタル戦略を推進、
年間ソフト販売3,000萬本が射程圏に
中核のコンシューマでデジタル比率を更に向上、グローバルでの長期販売を実現
私達のビジネスの中核であり、コンテンツ創出の源泉でもあるのは、やはりコンシューマです。近年のデジタル販売の普及に積極的に対応してきたことにより、収益性の改善とビジネスのストック化が進んだ結果、過去一桁臺に沈んだこともある営業利益率は、段階的に改善し、2020年3月期では40%臺に達しています。
市場は今後も、2024年までに532億ドルへと52%成長し、デジタル販売比率も更に向上する見通しです。この環境下、當社としても、次期以降も世界トップレベルの開発體制を基盤として、高クオリティのコンテンツを投入していきます。更に、戦略的な価格施策により、ユーザーニーズを広範かつ長期間獲得することを通じ、年間のソフト販売本數3,000萬本を近い將來に突破し、更に伸ばしていくことを目指しています。
開発トップが語る開発戦略

施策 1 主力IPをグローバル市場に安定投入
デジタル化、グローバル化といったビジネス構造転換の前提となるのは、高いクオリティの新作を安定的に投入することです。當社では、2013年の構造改革以降、中期的なタイトルポートフォリオマップ「60ヵ月マップ」を運用するとともに、開発者の年間アサイン管理「52週マップ」を併用し約2,300名(2020年6月末時點)の開発者を適時必要なタイトルへ配屬する仕組みを整えました。これにより、毎期安定成長に向けた、大型タイトルの投入が実現しています。
また、當社ブランドは「ストリートファイター」や「バイオハザード」に代表されるように、海外でも人気が高いことが強みでしたが、市場のグローバル化を見據え、2018年に「モンスターハンター」シリーズの戦略タイトルとして投入した『モンスターハンター:ワールド(以下MH:W)』は、広く世界で支持され、當社歴代最高の1,610萬本(2020年6月30日現在)を達成しました。更に、以降に投入したタイトルの多くも、『MH:W』同様の徹底的なクオリティの追求とデジタル戦略の採用により、好調な販売を記録しています。

しかしながら、この先のさらなる成長に向けて、開発者數はまだ十分とはいえません。今後も、100名以上の新卒採用と重點分野での中途即戦力の採用を併用することで、既存IPに加え、休眠IPの活用、そして2020年6月に発表した『プラグマタ』のような完全新規IPを創出していくことが、長期にわたる成長に必要です。
施策 2 デジタル化を通じた、収益性の向上とグローバルでの長期販売
私達の成長戦略における最重點部分である、デジタル戦略の詳細についてご説明します。私達が考えるデジタル販売の主なメリットは、①パッケージ製造コスト削減や在庫リスク回避による収益性の向上、②小売店で販売機會が得られなかった過去作の販売による収益機會の増加?長期販売の実現、③ゲーム機の流通が難しかった新興地域の市場化、です。これらは、ゲームビジネスに大きな転換をもたらしました。

原點は2013年、現世代機(プレイステーション4など)の発売を控え、これらのゲーム機がインターネットへの常時接続を前提としていることを知った私は、ゲームビジネスに大きな転換が訪れると考え、「デジタル対応の強化」を重點戦略に掲げました。それから7年、2013年3月期に52億円であった當社のデジタル売上高は、2020年3月期には426億円と8倍以上に成長し、この間、コンシューマの収益性は大きく改善しました。
デジタル化により、1本當たり収益は上述のように向上しましたが、さらなるメリットは、長期販売とグローバル化の実現でした。かつては、コンシューマにおける新作ヒットタイトルの有無で當社の業績は大きく変動していましたが、一たび良質な新作を投入すれば、3~5年に渡って継続的に収益貢獻することに加え、パッケージ販売では中古流通が獨占していた過去35年に渡る當社のコンテンツ資産が、オンライン上で低価格で提供することにより安定的な収益源となったのです。今では毎期200本程度のコンテンツがコンシューマの収益を構成しています。一方で、ユーザーに目線を転じれば、「ほしい時にすぐ手に入る」デジタルのメリットは大きく、新作においてもデジタル比率は年々向上し、最新の『バイオハザード RE:3』では発売初動にもかかわらずデジタル比率は50%に迫りました。
そして、近年デジタル販売において貢獻度が高まっているのが、PCプラットフォームを通じた販売です。従來のコンソール機の市場を大きく上回る國と地域での販売が実現し、アジア、南米、東歐や中東など、新興地域での拡販に強みがあると分析しています。私はこの領域に今後の伸びしろが大きいと考え、PCを重點プラットフォームに定めています。
次期も、これらのデジタル戦略を更に推し進めることで、デジタル売上高は、過去最高の450億円を計畫しています。パイプラインの拡充、販売の長期化、グローバル化のいずれにおいてもまだ成長余地があることから、デジタル売上比率は中期的に80~90%以上への上昇が見込まれ、コンシューマの収益性向上とストックビジネス化を更に進展させると考えています。
施策 3 デジタルマーケティングにもとづく価格施策で、需要を創出
次にデジタルがもたらした、ゲームビジネスの効率化についてご説明します。私達はかねてより、先端のネット技術の活用に著目してきました。ゲームという嗜好品では、デジタルでのコミュニケーションを通じ、ユーザーニーズに寄り添うことが、デジタルネイティブが消費の主役となる今後の世界をイメージした時に、非常に重要だからです。
そこで、マーケティングのデジタル化とともに、社內での意思疎通を強化すべく、四半期ごとに経営とグローバルの事業幹部が一堂に會しマーケティングプランを構築する「グローバルマーケティング會議」を設置しました。その結果、2018年に投入した『MH:W』以降、経営、開発、事業が一體となって、自社WebサイトやSNSを活用し、ユーザーニーズに即したタイトルのクオリティ向上やデジタル版購入への適切な導線の設定により、販売を拡大する體制が確立できました。


また足元では、長期販売、グローバル化の観點から、地域やユーザー屬性ごとのニーズを踏まえた期間限定セールなどによる、きめ細かく機動的な価格施策を重要視しています。その成果として、2019年末には、その前の期に投入した大型タイトルを戦略的に50%以上プライスダウンした結果、前年同時期比で2倍以上の売上を記録しています。
もう一つの好例が『MH:W』の長期販売です。2018年1月の発売から既に2年以上が経過していますが、段階的に価格を引き下げながら販売を維持した結果、累計販売本數は1,600萬本を超え、その半數以上が2年目以降の販売によるものです?,F在までの最低価格は約15ドルですが、既に開発コストは償卻し終えていますから、10ドル極端に言えば5ドルで販売しても利益に貢獻してくれます。この先も販売動向を見極めながら価格施策を行うことで、まだ手に取っていただいていない世界中のユーザーに訴求し、シリーズ次回作に向けユーザーベースを拡大していきます。將來の単価下落圧力になるのでは? という指摘をいただくこともありますが、私はその心配はないと考えています。嗜好品の世界では、高いクオリティのコンテンツをしっかりと提供できていれば、「高くても早く遊びたい」というニーズは必ずあるからです。価格施策により、ユーザーに様々な価格を提示し、それぞれが納得する価格で購入いただけるということは、販売側と購入側の雙方にとって大きなメリットです。
施策 4 クラウドゲーミングなど新サービスや、モバイルコンテンツへの対応
ここまで述べてきたデジタル戦略を通じた當社の成長は、この先も當面は継続できると見込んでいます。他方、「クラウドゲーミング」や「5G」など新サービス?新技術の登場により、ゲームビジネスはこの先10年で更に急激な変化をする可能性があります。當社はマルチプラットフォーム戦略を採択しているほか、VRなど新技術へのいち早い対応実績などもあり、當然ながらこれらの新領域へも関心を持ち技術的な検証を行っています。

歴史的にみても、このような新サービス?新技術がゲームの楽しさを拡げてきたというのが実感であり、今回もゲームの世界のさらなる進化に期待しつつ、今後ユーザーにとって実際にどのようなメリットが生じるのか、現時點ではその推移を大きな関心を持って見守っていきたいと考えています。
また、モバイルコンテンツについては、現狀は大きな成功を摑むにいたっていません。課題は、モバイルに特有の、継続的なサービスを通じマネタイズするノウハウを習得できていないことだと分析しています?,F時點では、優先してコンシューマでの成長にリソースを割いていますので、成果を急ぐところではありません。しかしながら、「5G」あるいはその次の「6G」といった通信規格において、當社の迫力のあるアクションコンテンツが、いずれモバイル端末上でも遜色なく遊べるようになるでしょう。例えば、軽量化された次世代のVR端末との掛け合わせでブレイクスルーが起きるかもしれません。來るべき機會をしっかりとものにできるよう、技術研究を開発部門に指示しているところです。
締めくくりとしてお伝えしたいのは、ビジネスの形態が変わろうとも、當社が最優先すべきことは変わらないということです。それは、これまでも一貫してきた、當社のコンテンツを世界最高レベルへと徹底的に磨きあげることであり、それがしっかりと実行できていれば何時いかなるプラットフォームやサービスのもとでもユーザーに選択していただける。反対にそれができなければ、例え一時時流に乗ったとしても、中長期での成長は葉わない。當業界の一線を走り続けてきた経験則から、私はそう確信しています。
eスポーツ
新たなエンターテインメント分野の育成に向け、長期視點で投資を継続
プレイヤーと観衆、地域と參畫企業がWin-Winとなるエコシステムの確立を目指す
eスポーツとは
「エレクトロニック?スポーツ」の略で、コンピューターゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えた名稱です。1990年代後半頃から歐米で盛んになり、現在ではアジアや日本を含め様々なゲームのイベントが多數開催され若年層を中心に世界中で人気を博すとともに、ゲームビジネスにおける新分野として注目を集めています。
初めに、私達がeスポーツに取り組む理由をご説明します。私達は、eスポーツは人々に新たな楽しみを與える新時代のエンターテインメントに育つ可能性があると注目しています。市場も近年大きく成長し、2023年には約16億ドルへと67%成長する見通しです。そして、eスポーツの発展に向け、プレイヤー、地域、また參畫企業がWin-Winとなるエコシステムを構築するうえで、競技に用いるコンテンツを知り盡くし進化させられる私達だからこそ、果たせる役割があると考えています。
その結果として、當社としてもeスポーツからの収益が増加し、更にメインビジネスのコンシューマでのソフト販売への還流、ひいてはコンテンツのブランド価値が向上するサイクルができ上がる。そのようなビジョンを描いています。しかし、これは全く新しい分野です。一朝一夕に成るものではありません。やるからには、5年、あるいは10年の中長期的な視點で投資を継続し、サッカーや野球のように、アマチュア層の參加を含め、市場の裾野からじっくりと拡大していく必要があると考えています。
施策 大會継続と育成の仕組みを構築
新型コロナ禍における情勢を踏まえ、次期にかけ予定していたリアルイベントの多くは、プレイヤーや観客の皆様の安全を考慮し、開催方式を変更しました。一方で、オンラインでの代替開催が可能であることはeスポーツの大きな利點です。ここまで進めてきたeスポーツ普及拡大への取り組みを途切れさせないため、私達は、取り組みの2本柱のうち、①個人戦については、年間世界ツアーである「CAPCOM Pro Tour」を、2020年6月からオンラインで開催しています。②チーム戦についても、國內で2020年8月から「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020」を実施し、新たに10社以上の大會スポンサーを獲得するとともに、米國でも「Street Fighter League: Pro-US 2020」をオンラインで開催します。また、2021年以降に向けては、コロナ禍の狀況を見極めながら、eスポーツチームの地域フランチャイズ化や、女性選手対象のトーナメントの開催、育成機関の設置などの取り組みを進めます。eスポーツが一般社會に広く認知、理解されることで、IPの価値向上に留まらず、ゲーム業界の地位向上や社會的貢獻にも繋げられるよう図っていきます。

ライセンスビジネス
ゲームを超えたデジタルコンテンツ企業へ
安定事業から成長事業への転換
「ゲームコンテンツはいずれ、世界的なアニメキャラクタ-と並ぶようなブランドになる?!顾饯悉饯激à皮い蓼?。當社は、1990年代初頭の『ストII』ブームをきっかけに、商品化やハリウッド映畫化など、ゲームコンテンツのブランド化において業界をけん引してきました。2000年代には、全社戦略として「ワンコンテンツ?マルチユース戦略」を採用し、全てのブランドの積極的な多メディア展開を図っています。そして現在、デジタルコンテンツ事業が大きく成長し、當社ゲームのユーザーがグローバルで急拡大する狀況下、私は、ライセンスビジネスも大きく成長を図る時期に來たと考えています。

施策 グローバル展開の強化
従來、當社は日米歐の拠點から、それぞれの地域でライセンス展開を行ってきました。商品化や映像化などを通じ、ソフト収益の補完や、認知度の拡大、ロイヤルユーザーの育成といった貢獻を果たしています。しかしながら、成長率という観點では、この5年間でソフトの販売本數が96%成長してきたのに対し、ライセンスビジネス(その他事業)の売上成長は41%に留まっています。私は、ここに伸びしろがあると考え、當ビジネスにおける一段の成長をグローバルの各拠點に促しています。また、アジアでの事業展開として、2016年から日本?アジア事業統括を立ち上げており、日米歐亜の4拠點體制の強化を図っています。この體制により、新興地域を含めたソフト販売拡大の受け皿としていきます。
また、アパレルやモバイルなど、他業種とのコラボレーションも増加しており、この領域からもライセンス収益の底上げを目指します。
施策 ハリウッド映畫化の推進
コンテンツのブランド化という観點で、ハリウッド映畫化の効果は絶大です。過去に実績がある「ストリートファイター」と「バイオハザード」は、いずれも當社を代表するブランドに成長し、ソフト販売數や長期的なコンテンツ価値を大きく向上させています?,F在、當社は新たに「モンスターハンター」のハリウッド映畫化を予定しています。同作は公開に向け準備が進んでおり、既に1,610萬本を販売している『MH:W』が2,000萬本を目指すうえでの側面支援になると考えています。
オンライン統合報告書(アニュアルレポート)バックナンバー
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